友人

なかなか暇人そうなペースでエントリーしてますな。
livedoorと違って総エントリー数がいくつなのか表示されないので、どの位書いているかもう忘れたが。
始めたばかりだからかも知らんが、こっちの方が気軽に書きやすい。なんでだろね。

ところで、先日俺の少ない友人のうちの一人が見事、希望企業に就職が決定(9割方ね)した。

俺とヤツは友人関係というか腐れ縁的な仲であるが、まあ普通の人間であれば俺にとっての親友はヤツになるのだろう。
俺は余り親友とかそういった概念が好きではないから、親友だとか思わないがね。
とにかく、ヤツとは小学校以来の知り合いで高校辺りからはクラスと部活が一緒だった事もあり、まあ仲が良かった。
俺はヤツの事を最初は特にウザったいヤツだと思っていたし(今でもウザい事には変わりないが)、ヤツはヤツで俺の事を使えねえヤツだと思っていた事だろう。
それでもやはり同じ空間に長くいた事とお互い無類の音楽好きであった事からよく話をした。
基本的に俺はどんな相手とでも聞き役だ。ヤツとの間でもそれは変わりない。
ヤツは俺に恋・恋・部活・受験・恋・恋と、まあ色々相談というよりも愚痴をこぼした。
時には俺の前で涙さえ流した。
俺はそんなヤツを見て、コイツとはこれから先も付き合って行きたいと思ったんだ。
別に俺がヤツに相談しないのはヤツを軽く見たり、信用していなかった訳じゃない。
相談する事がなく俺の中の葛藤だけで済んでいたからだ。

それが、3年前変わった。
3年前、俺は悩んでいた。いや、絶望していたんだ。人生に。
死にたいとか考えた事はまるでなかったが、俺の夢や希望がもう実現する可能性がほとんどない、という現実が見えた。
しかも、現実的に考えると現在よりも将来はまだまだ悪くなる可能性の方が高かった。
身内に頼る者もなく(むしろ身内の問題であったから)、俺はヤツに愚痴った。
いや、正確には愚痴ったと言うよりも経過を報告していたというべきか。
それでも今考えると俺はその事で救われていたんだと思う。
ヤツは俺の話を聞いてくれた。それだけで十分だったんだ。

そんなヤツが就活に苦しんでいた。
ヤツは余り器用ではないし、真面目だから就活とかのステージは苦手なんだろう。
熱意だけ見れば他のヤツらよりよっぽど高く評価されていいヤツだし、能力的にも面接で口からでまかせばかり喋れる奴等よりよっぽど良い物を持っていると思う。
でも、就活で勝つ奴等なんかは口からでまかせが得意な奴等が大半だ。(もちろんそれも能力だし、普通の能力のある人間だっているのはわかっている)
そんなステージでも、いやだからこそ俺はヤツに頑張って欲しかった。ヤツが結果を残せれば世の中はまだ捨てたもんじゃないって思えるからさ。

ヤツは見事結果を残した。ヤツにとってベストではなかったかも知れない。でもそれがなんだ!
小さい頃からの夢を叶えられる奴なんてそう、ざらにはいない。その中で見事夢を勝ち取ったんだ。
俺はそんなヤツが就活中も俺を頼ってくれた事を誇りに思う。ありがたい、と思う。
これからも、俺の友人であって欲しいと心から願う。

俺は心から祝福をした。「もっと挫折しといた方がいいんじゃねえの?」という軽口と共に。