江ノ電沿線の旅６

　神社を後にして、だらだらとした坂道を少し上ると、程なく極楽寺に到着。この位の坂道ならば何も問題ないだろうと、この先に待ち受ける試練も知らずにその時の私達は話していたりしたのであります。ところで、この極楽寺、『関東の駅百選』にも選ばれた事がある駅であったりします。まあ、実際見て頂くと解るかと思うのですが普通の駅であります。やはりＪＲ北鎌倉駅などの方が雰囲気も私は好きですね。

　そうこうしながら極楽寺から次の駅である『稲村ヶ崎』へ向けて歩いていると、急激に空模様が怪しくなって参りました。いつ私達に土砂降りの雨を降らせてやろうかと、空がその時を窺っているかの様でした。
さて、こうなったら私達は急いでルールを策定しなければなりません。もちろん、雨の為のルールをです。（ここでは既に雨が降る事は確実視されていました）
お互いの見栄のぶつかり合った話し合いの結果、雨でも続行という結論が採択されたのであります。私が一人だった場合、何の迷いもなく極楽寺から江ノ電へ乗って帰った事は明白でありますから、やはりこういった旅は監視役に誰かがいた方が面白いな、とその時思ったりもしました。

　こうして、完歩される事だけはこの時点で決定されたのでありますが、もちろん私達は迫り来る不幸に薄々気付いてはいたものの、まだこの時は相当軽くみていたのであります。