感想文3 格差社会―何が問題なのか : 橘木 俊詔

鴻巣への電車内とその後少しで『格差社会―何が問題なのか』(橘木俊詔著)読了。現在、色々な所で叫ばれている格差社会の現状・問題点・筆者提言からなる良書。未だに自分が中流だと感じている俺と同世代の人に読んでもらいたい一冊。しかし、正直この本を読んだからと言って『貧困層』と呼ばれる人々は何も救われない。むしろ日本にいる事に絶望すら感じるだろう。
俺が一番興味を持ったのは実体験として現在感じている、『教育に関する機会均等』についてだ。俺は学業継続に関して経済的困難を現在、抱えている。一般的な家庭(客観的に一般的かどうかは解らないが)に生まれ育った俺でも、経済的困難を感じるのだから、親が失職した家庭・母子家庭、などはより困難な状況だろう。俺の感覚からすると現在の大学の学費は余りにも高過ぎる。(私立大学・年間120万円)しかし、一般的には大学卒業かそうでないかでは、ほぼ確実に格差が出来る。俺に格差が出来れば俺の子供にも格差が移行する。それを考えると『文化的な生活』とやらを切り詰めてでも学業の継続をせざるを得ない。俺にはこれが国のあるべき姿だとは思えない。
俺が経済的困難を抱え大学卒業が出来ない事は受け入れられる。しかし、その結果としてある就職の機会均等がない現状、またそれが将来、世代を超えて継続していくという現状は納得出来るはずがない。
是非、この国の指導的地位にいる人々にはその点についてのビジョンを明確にして頂きたい。(その点、小泉純一郎はわかり易かったと思う)