腐っている

 日曜日のバイト帰りに酷い雷雨に遭いました。信じられない出来事にも遭いました。

 夜も遅く雨も酷かったので、連れの為に駅前でタクシー待ちをしていたのです。本当に酷い雷雨でしたから、本来のタクシー乗り場から少し離れた駅の屋根の下に列が出来ていました。私達の前に2〜3人程並んでいたでしょうか。タクシーを利用する人も多かったのでしょう、15分程は待っていたと思います。

 次は私達の前に並んでいる女性の番でした。「ああ、やっと次のタクシーが来たなあ」と眺めていると横から駆け抜けていく男が一人。在り得ない光景でした。私達の後ろにも既にタクシーを待つ人の列が出来ていたと言うのに、それを無視して乗り込める男の感覚が理解出来ませんでした。私と連れは憤慨です。二人でいる事を良い事に言いたい放題言ってやりました。恐らく、周りの人も同意してくれていたはずです。

 そうこうしている内に次のタクシーの気配がしてきました。女性は今回こそは、と言う事でしょう、タクシーが着く少し前からタクシー乗り場に歩き出していました。「ああ、あの女性もやっと乗れるなあ」なんて考えていると、近くにあるバス停の屋根の下にまたしても男の姿が。私と連れは「アイツ怪しくね?」と(いう感じで)話していた所、案の定乗り込みやがりました。一番可哀相なのは私達の前に並んでいた女性です。今までは屋根の上に並んでいられたのに、腐った男二人の為に豪雨の中で待たなければならなくなったのでした。

 男は二人共、本当にどこにでもいる普通の男でした。柄が悪そうでもありませんでしたし、むしろどちらかと言うと人の良さそうな雰囲気のある男達だった様にすら感じました。そんな男達がこんな腐った行動をとれると言う事が私には理解出来ませんでした。

 確かに本来のタクシー乗り場ではない所に出来た列ではありましたが、それを理由に男達が列に気が付かなかったのだとすれば、危機的な観察力と想像力の欠落としか言い様がありません。また、気が付いていた上で行動していたのであれば人間性の欠落と言って良いと思います。

 私はこういった事を平気で出来る人間は本当に性質が悪いと思います。「雷にうたれて死ねば良いのに」と言う言葉がついつい口から出来てきてしまいました。

 その後は腐った人間が出る事もなく無事に連れをタクシーに乗せる事が出来ましたが、二台も余計にタクシーを待ったせいで私が電車に乗り遅れたのでした。

 本当に死ねば良いのに。