読書感想文1 ― 『週末起業サバイバル』

 確か発売後すぐに購入して読み終えました。恐らく2009年10月頃だったと記憶しています。

 著者の本書以前の著書は読んだ事がありません。一番下に挙げておきますが週末起業に関してのシリーズ的な著書が本書以前に2冊ある様です。

 ネット上では本当によくみる内容なので、本書を読んで目新しい事を見つけるのは難しいと思います。しかし、一冊の本にまとまっていると言う点と、また本棚に置いて常に自分にプレッシャーを与える事が出来る点において購入した一冊です。

目次
はじめに
第一章 雇われる生き方がリスクになった
現実になった厳しい予測 / 首を切られるのは誰か? / 正社員も安泰ではない / 国への負担も増えるばかり / 企業・国には期待すべきでない / フリーエージェントという働き方 / 自信をもて / 今の仕事にやりがいはありますか? / やりがいだけでは食べていけない / 自力で稼ぐには? / まずは会社にいながらやってみろ / 転ばぬ先のリスクヘッジ
第二章 週末起業のまばゆい魅力
副業とは何だろうか / 週末起業のトレンド / 週末起業の魅力とは / 収入はあるほうがよい / デメリットもある / 週末起業を始める上で注意するべき点
第三章 安く、早く、確実に稼ぐ
成功する週末起業とは? / 自分のアイデアをビジネスにしたJさん(50代・男性) / やりたいことで食べていくことに成功したKさん(30代・女性) / 趣味をお金に変えたSさん(40代・男性) / 資格を活かして年商1300万円(40代・男性) / 飲食店の経営者になったOさん(40代・男性) / ネットオークションをオンラインショップに発展させる(40代・男性)
第四章 ネットをうまく利用しよう
週末起業にまつわる疑問? 週末起業は週末だけでいいのか? / 週末起業にまつわる疑問? 本当にお金をかけないのか? / 週末起業にまつわる疑問? やっぱり会社は辞めないのか? / 週末起業にまつわる疑問? 「好きなこと」がおすすめか? / 週末起業にまつわる疑問? 「できること」でやるべきか? / 週末起業にまつわる疑問? 時流に乗ることは必要か? / 週末起業にまつわる疑問? アルバイトじゃダメなのか? / ツールの充実でハードルが下がった / まずは情報発信せよ / インターネットを味方につけよう
第五章 めざせ月商50万円!
4割が悩む「ネタがない!」の事情 / 分野を絞る / 起業ネタを見つける / 最悪なのは「エア起業」 / 3万円の壁 / その楽しさがアダになる / サービスの利用者に甘んじていないか / サービスの提供者になるには? / セミナーや勉強会を開催する / オフ会を開く / 自分の空きスペースを商品化する / 仕入れに挑戦する / 一番手強い「1円の壁」 / 月に100時間あてられるか / かわいいお金に旅をさせろ / 広告宣伝でビジネスを育てる / 人脈に対する投資 / 「月商50万円の壁」突破法 / 虎の子を人に払えるか? / 場所に対する投資が時間効率を高める / 「月商50万円」が限界か? / 「月商50万円」を超えて、なお伸ばすには / 独立の壁、そして独立してからの壁 / 先輩に訊け! / 独立成功のポイント / どうしてもネタがないなら
第六章 トラブル回避のための法律講座
税金リテラシーを高めよ / 開業届を出す必要はあるか? / さもしい?無税の人 / サラリーマン法人のすすめ / 独立する人が「ダメもと」でやる作戦 / 時代おくれの「法人4兄弟」 / 気になる本業との関係 / 就業規則の法的妥当性 / 非正社員は副業しやすい / 許可を得て回避する / 会社に黙ってやる / ばれてしまった時の対処 / 同僚への後ろめたさ / 良い面、悪い面がある

 僕が以前やっていたアルバイトの業界には所謂ダブルワーカーと呼ばれる方たちが驚く程にいました。平日はサラリーマンとして過ごし、そして土日にアルバイトをするという生活だそうです。

 本書の中では週末アルバイトの月給が3万円程度と紹介されていましたが、僕がやっていたアルバイトの業界の人たちは恐らく、月給が10〜15万円程度だったでしょう。(根拠は自分の給与)

 僕が出会った方たちは比較的明るい方が多かったので、話をしていても悲壮感は感じられませんでしたが、ダブルワーカーという現状から抜け出したいけれども抜け出せない状況が痛い程伝わってきた事を覚えています。

 それを見て僕自身、時間の切り売りをする様ではいけない、と考える様になりました。

 そうは言っても一般的なサラリーマンにはこの本の成功例の様には当然の事ながら簡単にはいきません。

 ただ、やはりこの動きの早い現代において、サラリーマンとしてただただ毎日を過ごしているのはリスク以外の何物でもないのは事実だと思います。しかし、特に正社員サラリーマンに『今』動き出すリスクをとれるか、というとなかなか難しいでしょう。

 そこで、最終的に商売とするのかどうかは別として、何をするにしても現代において情報発信能力と言うのは絶対に必要なのは間違いありませんし、それはサラリーマンとしての本業でも同じだと思いますので、その能力を高める、使っておく事から始めるのが一番良いように思います。

 ブログにしてもtwitterにしてもFacebookmixiの様なSNSにしても、またどんなツールを使おうが必要なのは、自分が相手に届いて欲しいと思う情報を相手に届ける能力です。その内容ももちろん重要ではありますが、情報の溢れ返っている現代では、内容を見てもらう前に相手に届くかどうかがまず重要だと思います。

 その対策としてネットではSEO対策が叫ばれるのですが、今となっては各企業・サービスが行っている事なので、個人が後から入っていくのはなかなか難しいでしょう。

 そんな中で、書評や音楽・映画レビューなど、言ってしまえば有り触れたネタでそれなりのトラフィックを集められる様になれれば、実際にネタが手に入った時にも、情報発信能力のなさで泣かずに済むかもしれません。

 本書の様な本を手に取る方は恐らく、自分の中に確固とした稼げるネタがないと思います。しかし、ネタがないからと言って何もしないのは怖いとも思っているはずです。

 それであれば、まずは情報発信するべきだと思います。それも、「多数の人に届ける」意思をもった情報発信が必要だと思うのです。

 ちなみに、本当に起業する意思があってその準備をするための本として本書をお薦めする事は出来ません。起業について、ボンヤリと考えている方が読むのにちょうど適した本だと思います。