CD感想雑文 no.13

OLIVER : Hooper

 Amazonでヒットした事自体が結構驚きだったのですが、既にHooperというバンドは存在していないのです。今はHooperが母体となっているFleming Pieというバンドが活動しています。
このHooperは私にとってかなり特別な存在であります。音楽の質というのは確かに重要なファクターではあると思いますが、作品が実際に心に残るかどうかというのは聴く人のその時の状態に音楽がどう作用するか、の方が大きいと思うのです。そして、このHooperの音楽はそれはそれは私の心に大きく影響を残したのであります。

この作品がリリースされたのが今から9年前。私はこの作品を何回聴いたでしょうか。良く、擦り切れる程に聴きかえす という表現がありますが、媒体がCDではなくLPやテープだったら確実に擦り切れていただろうと思います。
もう、それぐらい昼夜を問わず季節を問わず場所を問わず聴き続けた作品であります。何が、私をそこまで惹きつけたのか未だにわからないのではありますが。
しかし、今聴いてもこの作品から感じるキラキラしたモノは変わらず感じ取れます。このキラキラが感じられなくなったら私も枯れたという事かもしれないですな。

さて、正直全曲がお薦めなのですがそれでも敢えてお薦めを挙げておくと、
 作品の始めにピッタリな広がりをもった track1.Freedom a moment
 誰に対しても優しくなれそうな気がする track6.OLIVER
 思春期真っ最中(当時)の私の心にグサッときた track7.Next Message
 シングルカットもされているHooperの代表曲でしょうか、track9.Love Letter
辺りでしょうかね。
 この作品のイメージは『宙』という感じです。大気というのかな。風だったり空気だったり空だったり宇宙だったり、そんな匂いを感じられる作品であります。

Vo.の中嶋朋子さんの声はCMでも結構流れてたりするので聴いた事ある人も多いはずです。ちょっと中性的な透明感がある素晴らしい歌声。中心メンバーの瀬川AC氏は色々なCM音楽を担当されているのでTVを少しでも見る人なら一度は聴いた事があるかもしれません。

まとめると、私の人生を共に歩んでいきたいと思える、そんな作品でありますね。