脱力本

古本を買ってガッカリするのは、文章に一々と前の所有者の読み方がメモしてある時だ。俺も何回か古本を買っていて、それが嫌だったので仕方なく古本を買う時にはしっかりとチェックをする様にはしているのだが、たまにそのチェックを漏れる本が出てくる。今回『イタリア人の働き方』という本を買った所、これがそんな本だった。メモ(傍線やら丸印やら)が的確な部分にある場合には、嫌々ながらも許せるのだが、どういった理由でその部分にメモを残したのかが理解出来ない様な時は、本を読む以上にそちらに気を取られてしまったりするので嫌なのだ。
今回の『イタリア人の働き方』はそもそも、そんなメモをしながら読む様な本ではないと思う。情報を得るにも、文章の勉強をするにも、もっと適切な本が山の様にあるはずだ。まあ、それは人の好き好きだから百歩譲って許そう。
しかし、今回のこの本のメモが俺をゲンナリさせた理由は、『まえがき』にやたら大量のメモがある点だ。傍線も丸印も大量にある。何が重要なのかこれで解るのだろうか?と俺が心配してしまう程にメモだらけだ。『まえがき』なのにである。しかし、1章に入ると急激にメモの量が少なくなる。きっと『まえがき』が余程お気に召したのだろう。25頁も進むとほとんど傍線はなくなり、丸印がポツリポツリと付くだけになる。50頁付近では印の付いている箇所がある頁の方が珍しくなる。そして2章の2頁目を最後にメモはなくなるのである。もしや、と思った俺は『あとがき』を見たが、残念な事にメモはなかった。しかし、筆者のプロフィール欄にはメモが!!
前の所有者は何をしたかったのだろうか。メモをしながら読む本でない、と気付いたのが50頁前後であったならば遅過ぎるし、メモをするのに飽きてしまったのならば早過ぎる。どちらにしても俺は絶対友達になれそうもない人間である。(年齢的には若くなさそうだし)
ちなみに今回この本が俺のチェックを漏れた理由は、俺が本の真ん中から後半辺りをペラペラとチェックしただけだからだ。これからは『まえがき』や『筆者プロフィール欄』もしっかりとチェックしようと考えている。(ってか多分、当分の間は古本を買わない)